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「ボーカル・アーティストの王道」創刊のご挨拶


「ボーカル・アーティストの王道」創刊のご挨拶

渋谷でボーカルスクールを経営しているわたしは、
プロのアーティストと毎日のように接していますが、
思いもかけない質問をされることがあります。

「コーヒーって、喉に悪いって聞いたんですけど、どうでしょうか?」
「声量を増やすのに腹筋を鍛えるのが良いと事務所の人に言われたんですけど、本当でしょうか?」
「高い声を出せるようにしたいので、B’zをオリジナルキーで練習しているんですけど、最近喉の調子が悪くて」

などなど。
プロでさえこうなのですから、
一般の人たちは推して知るべし。

「ボーカル・アーティストの王道」を通して、
わたしたちは歌が大好きな日本人のために、
ボーカル・テクニックやアーティストの謎を
解き明かしていこうと思います。

もちろんボーカルは音のアートなのですから、
文字ですべてを伝えることは不可能です。
本気で上手になりたければ、
優秀なボーカル・トレーナーを
探すことをおすすめします。

しかしそうは言っても文字で伝えられる部分は確かにあります。
あなたが独学をしていようと、
ボーカル・トレーナーのレッスンを受けていようと、
「ボーカル・アーティストの王道」の各章を読むことによって、
ボーカル・テクニックの理解が深まるのは確実です。

ところで、ボーカリストというアーティストは孤独です。

例えば、バンドの中でのボーカリストは、
別に楽器を持っているわけではないので、
他の楽器を弾くメンバーと比べると、
どうしたって孤立してゆくことになります。

メンバーが楽器店のアルバイトの女の子が
可愛いという話で盛り上がっているときに、
ボーカリストは自分が楽器店にいったことがないことを、
思い知らされます。

メンバーが早弾きの話で盛り上がっているときに、
ボーカリストは自分の喉に鍵盤がついていないことを知るわけです。

職業ボーカリストになれば、
プレッシャーは
かなりのものになってゆきます。
例えばレコーディングの場。

まずリズム隊がグルーブを作ってゆき、
必要ならシンセやアコースティックな楽器のダビングになり、
オケが出来た後、さて、ボーカルダビングだ、ということになります。
バンドのメンバーが仕事を終えた後に、やっと仕事が始まる。

その頃には夜もうっすらと明けてきて、
体調は最悪。寝不足。明日はライブ。
さて、ボーカルをレコーディングしようと
メンバーが言い出す。

売れたら売れたで大変です。
バンドの人気はほとんどボーカリストにかかってくるので、
外から見たときに、ボーカリストだけ扱いが
変わって見えるということもあり、
バンドとの格差は大きくなってゆく。

そんな中で、喉のケアとか、体調の維持とかは、
他のメンバーとはまったく違った方法論を
要求されているということを、
いつかあなたは知ることになるわけです。

ギタリストやドラマーに喉のことを相談できるわけもなく、
つまりはどんどん孤立してゆく。
ボーカリストって、孤独なんです。

そんな孤独なボーカリストのために、
「ボーカル・アーティストの王道」は
大変役立つでしょう。

このブログはプロだけではなくて、
歌うことに興味のある方全員に
読んでいただきたいと思っています。

無理な歌い方や無知な自主トレーニングで
大切な喉を痛めることなく、
あなたがボーカル・アートをエンジョイ
できることを願っています。

次章から本格的にボーカル・テクニックの極意について語ります。
楽しみにしておいてくださいね。

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